動きを可視化する「リオモ・タイプR」と、バイクフィッティングの方向性

「リオモ・タイプR」、すごいものが発表されたので、妄想もふくめ書いておきます。

1)タイプRと、そのすごいところ

2)今後の方向性その1は「動きの質」

3)方向性その2は「抵抗削減」=エアロダイナミクス

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1)タイプRと、そのすごいところ

リオモ・タイプRというのはセンサーユニットを5個ライダーの身体に取り付けてその動きを記録観察(キャプチャー)するデバイスです。だいたいは引用記事をみるとわかります。

報道(サイクリスト・サンスポ 2017年3月13日)

ここに出てくる「9軸センサー」というのは3軸加速度、3軸ジャイロ、3軸コンパスの複合センサです。これで対象の空間での動きを検知・計測するわけです。これを人体など動きのあるものに設置して動きを記録するのが「慣性モーションキャプチャー」という技術です(自分のブログ記事で「カメラレス型」と仮称したもの)。

9軸センサーには1チップにモジュール化されたものもあり、今日見たとある通販サイトでは1個2000円でした。Google Glassにも搭載されていたものだそうです。こういう、こなれてきたハイテク素子を使った面白い新用途のデバイスがこの「リオモ・タイプR」です。

「リオモ・タイプR」で自分がいちばん驚いたのはその価格です。英語の報道だと800ドル程度というのです。従来映画製作などに使われてきた「慣性モーションキャプチャー」は数年前に自分が調べたときは最低でも600万円くらいからという価格帯でしたので文字通り桁違いです。

“最低600万円~”のシステム一例

価格が手ごろなら用途やソフトの開発も迅速に進みそうでわくわくします。

つぎに慣性式モーションキャプチャーを使ったバイクフィッティングの何がすごいかというと、カメラ不要なのでレース現場での生のデータを記録(キャプチャー)・分析できることです。これは従来の、スタジオでしかキャプチャーできなかったカメラ式とは根本的に変わります。

2)今後の方向性その1は「動きの質」

で、このタイプRでライダーの動きが客観化・可視化されてきたそのあとに来るのはなにか。それはたぶん「動きの質」でしょう。※以下は自分の独創ではなく、コーチの福田昌弘氏の受け売りです。ただ独自の理解に基づくので文責はすべて自分にあります。

つまり、例えば腿上げをするための筋肉といっても5種類あるが、その中のどの筋肉が先に動くのがいいのか、それぞれの筋肉がどういう風に協調して動くのがいいのか、そういう問題意識です。福田氏は「運動パターン」という言葉を使っていました。

タイプRで関節=骨の動きが客観化されたら、次はその動きを生み出している筋肉の動きかた、運動パターンの良し悪しが問題になってくるのではないか。そこでは筋電計(EEG)みたいなデバイスが登場してくるのではないか。あるいは筋肉の微細な動きを圧力ないしサイズの変化などで検知するデバイスか。

以上は「けが防止」と「出力アップ」の側面。

3)方向性その2は「抵抗削減」=エアロダイナミクス

自転車を速く走らせるためには出力を上げるのと、抵抗を減らすのと二通りのアプローチがあります。実用速度で走る自転車の最大の走行抵抗要素は空気抵抗なので、エアロダイナミクスがもっとも有力な抵抗削減手法として浮かび上がってきます。

こちらのアプローチはすでに数年前から(国外では)実用化されていて、アルファマンティスとかビオレーサーモーションといったプレーヤーが現れており、2014年のアワーレコード挑戦でも活躍しているそうです(自分のブログ記事に取り上げました)

空気抵抗削減といえばVelocomp社のPower Podというパワーメーターは市民ライダーにとっては注目すべきアイテムでしょう。これは「風速で計るパワーメーター」iBikeシリーズの最新版ともいうべきもので、iBike時代に培ったセンサー技術をいかんなく発揮した、お手頃アイテムです。iBikeシリーズを最近まで愛用してきた自分としては、この魅力が受け継がれてほしいと願うばかりです(国際通販で日本へも発送してくれますよ)。

まとめ: リオモ・タイプR、広範な実用化と続報が待ち遠しい。

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